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食べ物と女が書けたら・・・


食べ物と女が書けたら一人前だ。


主人公が一人歩きするようになったらその作品は成功だ。

話が上手になったら小説が下手になるから、講演はほどほどにしとけ。


講演『地球を歩く』より

誰も来ない所、入った・・・


誰も来ない所、入ったことがない、靴跡もない指紋もついてない所へ入って行く。


それで大きな魚を一匹釣り上げると、妙な心理がここで働いて、ワクワクドキドキして針を外すのに手が震えるんですが、

ふっと後ろを振り返って「誰か見ててくれへんかったかなぁ」とこうゆう倒錯心理があるんですけれども。

これがなかなか克服出来ないんですね。


講演『地球を歩く』より

ある時、1968年で・・・


ある時、1968年ですがたまたまやっぱり最前線でしたけれども、魚釣りに行ったの。


戦争しているところへ。

それで皆さんお笑いになる。

私も自分でサイゴン出る時笑ったんで、人が生きるの死ぬの殺し合いしている最中に魚釣りとは何事か、といってほっぺた張りとばされたら、素直に黙って右のほっぺた差し出して、

「もう一つ張っておくんなはれ」

と言おうと思って行ったんですが、現場へ行くとまったく逆で大歓迎。

それで水を持ってきて飲めと言ったり、村長が出てきてバナナくれたりね。

そっちの所じゃダメだからこっち行って釣れとかね。

エラい優しいんです。

一宿一飯の仁義を尽くしてくれるんです。


講演『地球を歩く』より