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この広場では、私は見・・・


この広場では、私は《見る》ことだけを強制された。

私は軍用トラックのかげに佇む安全な第三者であった。

機械のごとく憲兵たちは並び、膝を折り、引金をひいて去った。

子供は殺されねばならないようにして殺された。

私は目撃者にすぎず、特権者であった。

私を圧倒した説明しがたいなにものかはこの儀式化された蛮行を佇んで《見る》よりほかない立場から生れたのだ。

安堵が私を粉砕したのだ。

私の感じたものが《危機》であるとすると、それは安堵から生れたのだ。

広場ではすべてが静止していた。

すべてが薄明のなかに静止し、濃縮され、運動といってはただ眼をみはって《見る》ことだけであった。

単純さに私は耐えられず、砕かれた。


『ベトナム戦記』より

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